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PD060:『ホナウド・コトリム - ホナウド・コトリム』 (2011.06.15 Release)


切なく美しくて、どこか懐かしさが沸き上がるようなメロディの数々…。ブラジルのSSW/プロデューサー、ホナウド・コトリムが2001年に秘かに自主制作で吹き込んでいた知られざるアルバム『ホナウド・コトリム』は、紛れもない名作です。否応無く、ロー・ボルジェスやミルトン・ナシメントなどの歴史的な名作が思い浮かぶほどの素晴らしさなのです。

ブラジルはリオ・デ・ジャネイロを拠点に活動を続ける音楽プロデューサー/SSW、ホナウド・コトリム。普段は映画やTVのサウンドトラックを手掛ける作編曲家として活躍する彼が、シンガー・ソング・ライターとして2001年に吹き込んだ自主制作盤が本作『ホナウド・コトリム』です。ブラジル本国ですら殆ど一般流通しておらず、ライブ会場でやっと手に入れる事が出来るような、まさしく幻の1枚なのですが、その知名度に反してそのサウンドは奇跡的なクオリティ。全編が心の琴線に触れるような柔らかく切ないメロディに満ちあふれたサンバ?MPBがギッシリ詰まっており、その素晴らしさは一聴でリスナーのハートに伝わる事でしょう。自身が職業作家であることも功を奏したアレンジのセンスや、サウンドプロダクションのクオリティも、とても自主制作とは思えないほどのモノで、何より彼のメロディのセンス、そして優しく心に問いかけるような歌声の素晴らしさが感動的です。

アコースティックな質感を活かしたサンバ〜良質のMPB的なオーソドックスな音作りで、決して派手さは無いのですが、全曲が彼のオリジナルという楽曲は全てが素晴らしく、ピアノ、控えめなストリングス、フルートなどを配して聴かせる穏やかなサウンドもどこまでも心を和ませてくれます。沸き上がる高揚感、美しいフルートが導く旋律が感動的なオープニングの「コメソ」を聴けばその才能の一端は伝わるでしょうか。涙モノの旋律が心に沁みる「ショーロ・アンチーゴ」、美しい弦の響きが印象的な「セウ・ヴェルメーリョ」、心温まるオーガニックな雰囲気が抜群の「ホーダ・ド・テンポ」、活力に溢れたなアップテンポのサンバ「マカシェーラ・イ・ゼ」、まるで映画音楽のような美しいインスト「コラソン・ダニーニョ」など名曲揃いですが、何と言っても極めつけは感動的なスキャットと共にジワジワ高揚して行くラストを飾る「ヴィアジェン」でしょう。言葉に出来ないステキな“何”かがここにはあるようです。

少し大袈裟かも知れませんが、例えばミナス出身のSSW、ロー・ボルジェスやミルトン・ナシメントなどが残した歴史的名盤達にも肩を並べてしまうのでは?と思えるほどに素晴らしい作品です。流行り廃りに一切関係無く、何十年、何百年といつまでも愛聴されるであろう1枚です。

【ホナウド・コトリム (Ronaldo Cotrim)】
リオ・デ・ジャネイロを拠点に活動を続ける音楽プロデューサー/SSW。作編曲家として数多くの映画やTVのサウンドトラックを手掛ける傍ら、プロデューサーとしても主にメジャーレーベルで幾つかの作品をプロデュース。また、シンガー・ソング・ライターとしても活動しており、2001年には全曲オリジナルの名作『ホナウド・コトリム』をリリース。優しげな歌声と、心に琴線に触れるような切なげなメロディのセンスが素晴らしい、気鋭のアーティスト。

※解説:丸山雅生(disques dessinee/production dessinee/musique dessinee)

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